ホームインスペクションって何!?
ホームインスペクションとは、文字通り「ホーム(建物)をインスペクション(検査)」する、つまり住宅診断のこと。
しかし「第三者が建物を診断してくれる…」そこまではなんとなく分かっていても、どんな内容で、どんなメリットがあるのかまでは分からないという方も多いのではないでしょうか。
これからの時代、住まいを買ったり売ったりする可能性がある方なら、必ず知っておきたいホームインスペクション。
そこで、ホームインスペクションについての重要性とメリットをご紹介させていただきます!
ホームインスペクションとは?
ホームインスペクションとは、その名の通り『住宅診断』です。住宅に精通したホームインスペクターと呼ばれる住宅診断士が、第三者の立場で住宅の劣化状況、欠損の有無、改修が必要な場合のそのおおよその費用など見極めアドバイスを行います。
日本では、2009年よりNPO法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)が住宅診断士の資格試験を実施し、合格者をホームインスペクターとして認定しています。いわば、中立の立場で診断する『住宅のお医者さん』と言えるでしょう!
ホームインスペクションはなぜ必要?
これまでの日本の住宅流通を考えると分かりやすいかもしれません。
特に中古住宅の流通を考えたときに、これまで、その保証がどこにもない状態だったのです。
新築の場合は、ハウスメーカーや工務店などがある程度住宅の保証をしますよね。
もしくはその企業ブランドが保証となっています。
しかし、中古住宅の場合は、売主が個人の場合がほとんど。不動産会社はあくまでも仲介です。何か購入物件に問題があったとしても、責任は負いません。
これでは購入者は不安になってしまい、中古物件を買えないですよね。そのため日本は“新築信仰”と言われるほどに、中古住宅流通が伸び悩みました。
ですが、最近はリノベーションが注目され、画一的な住居環境ではなく、一人ひとりのライフスタイルや嗜好に合わせた住宅が求められています。
例えば、新たに住宅を購入する際に、新築だけに焦点を合わせるとエリアも限られ、予算的なハードルも高くなります。
中古物件を視野に入れた方が選択肢は広がりますが保証が明確でないために、みなさん怖くて手を出しにくくなっていました。
そこで、新築・中古問わず活用できるのが『かし保険』です。
耐震はもちろんのこと、契約に従って住宅の『性能』『品質』を保証し、『かし(事故)』が発生した場合、保証期間内であれば事業者や売主ではなく検査事業者が保証を行なう仕組みです。
このかし保険に加入するには、インスペクションの実施が大前提となるのです!
安心・安全のためのインスペクションのメリットとは?
【買主側のメリット】
① 購入後に何かあった際の責任所在がある程度担保できる
これまでお話したように、中古住宅には購入後に何かあった際の責任所在がありませんでした。それが『かし保険』により、ある程度担保できること。
② 住宅性能の“見える化”が実現する
構造躯体や耐震基準に合致しているかなど、日本の中古流通では非常に不透明だった部分が、第三者のインスペクションを実施することで明らかになります。どこに課題があって、どの部分をリノベーション・リフォームすべきかが見えてきます。
住宅というのは『暮らし方』に直結するもの。どこにどのように費用配分するのか、一定の安心・安全を確保し、カスタマイズの判断ができることで、より理想的な暮らしの基盤を手に入れることができます。
【売主側のメリット】
①トラブルの未然防止
きちんとインスペクションをすることで、物件価値を適切にアピールでき、トラブルの未然防止にもつながります。
②信ぴょう性のある価格設定につなげることができる
課題や魅力の所在を明らかにすることは、実は信ぴょう性のある価格設定につなげることができるのです。
今後、中古流通が活発化するはずです。その際に、明確な診断なき売買は訴訟問題にも発展していくでしょう。
これまで、日本では住宅売買の主流は新築だったため、表に出てこなかった問題(個人の売買間での訴訟)も明るみに出てくるはずです。
そう考えた時に、インスペクションは、売主・買主ともにメリットを持つ必須の条件となっていくでしょう
実際にインスペクションではどんな検査を行うの?
まず、インスペクションは『かし保険基準』に適合することが求められます。そのため、構造躯体・雨漏り・耐震基準の3点は必須で診断するものとなっています。
まだまだインスペクションは始まったばかり!
正直、日本においてインスペクションはまだ始まったばかりです。宅地建物取引業法改正案が成立したことで、2018年4月から中古住宅取引の際に宅地建物取引業を営む企業にホームインスペクションの斡旋の可否が義務付けられました。
これにより、インスペクションの認知は向上してくるはずです。
ただし、これはあくまでもホームインスペクションの説明をすること、もしホームインスペクションを行った場合はその結果を説明することが義務付けられているにすぎません。
つまり、ホームインスペクション自体を義務化しているわけではないのです。
しかも、これまで不動産会社はインスペクションに関するノウハウが十分あるとは限らないため、以下のように対応が分かれてくることが考えられます。
①適当にインスペクションの必要性を説明し、インスペクターを斡旋しない。
②適当に必要性を説明し、消極的に斡旋する。
③正しく必要性を説明し、積極的に斡旋する。
これだけ対応が異なってくることが想定できる以上、消費者も賢くならなければなりません。
企業側がどのタイプの対応をしているかを見極め、③の対応ができる企業を選ぶべきです。
ホームインスペクションを通じて行う検査の内容やメリットがお分かりいただけましたでしょうか。
今後、中古住宅を売却したり購入する予定があったら、今回ご紹介した「インスペクション」のことを思い出してください。
きちんと住宅のお医者さんとも言えるホームインスペクターによる診断を行ったうえで、住宅価値を把握し、納得できる住み替えにつなげてくださいね。
もちろん、当社でもご相談は承っておりますので、何なりとご相談下さい!